オブラ・ディン号の帰還 8章(取引)考察

オブラ・ディン号の帰還の8章(取引)関係を考察。というよりReturn of the Obra Dinn感想記事の続き。

●8章(取引)の時間軸
8章はクラーケン襲来時であるが、具体的なタイミングはいつか。
・7章-8、アビゲイルが船長の場所を訪ねた際に「甲板下にいる」と返答。
・7章-8のあと描写はないが、甲板手の退場を最後に急に被害がなくなっているため、わりとすぐクラーケンが帰ったと思われる。
・9章-1、「イカが帰った後、船長が倉庫から上がって」との会話。
・9章、船医が脱出。船医は8章-5でも登場し、荷物をまとめるよう言われている。
・7章ラストで致命傷を負った甲板長の退場が9章-1なので、8章全体は短時間の出来事かと思われる。
・もしくは8章倉庫内での船長付き司厨手の状態が時間経過を表しているのかも。
・7章ラストの後、クラーケンが帰るまでが8章-1~8章-3の話かな?
・8章-3と8章-4の間は少し間がある?


●船長はクラーケンをいつどこで知ったか
8章-2 船長はイカのことを突然「クラーケン」と呼称し、「お前たちが持ち込んだ」と詰めかかる。なぜ知ってる?

(前提)怪物捕獲時点、怪物について知識があったのは「船長付き司厨手」だけ。
・5章-1、船長がフォルモサ人に怪物について問いただしているが聞き出せず。
・5章-4、船長付き司厨手「怪物を海に帰さないと全滅する。」と警告。この時点では無視された。

(考察)事情を知っている船長付き司厨手から聞き出した?
・まず「クラーケン」というのは北欧に伝わる怪物らしい。
・船長付き司厨手は唯一のスウェーデン出身である。海の怪物について詳しかったのだろう。
・5章以後、どこかのタイミングで船長付き司厨手から事情を聞き直す→クラーケンがホントに出たので信じた?
・もしくは5章-4での怪物を海に返せという警告だけは覚えていて、「クラーケン」という名称は船乗りとしての常識で知ってた?


●三等航海士が取引についてのどこで知ったか
(考察)8章-3のあとで船長から指示された?
・8章-4、三等航海士がなぜか事情を理解している。
・8章-4、一等航海士付き司厨手は事情を理解していない。どうやら三等航海士以外の船員には説明していなかったものと思われる。
・5章-4で三等航海士はひとつ上の階で作業していたので、あのときの警告を聞いていたかは怪しい。
・8章-3~8章-4の間に船長から指示されたとしか思えない。
・三等航海士は7章-8でアビゲイルの最期を目の前で見た人。その後、船長を探しに行って指示を聞いたのはあり得る。
・他船員の反応はその後の船医を見るに「船長が倉庫で怪物と何かやましいことをしたが詳細は不明」となったのだろう。


●3つの光る貝殻について
怪物が持っていた貝殻2つはいつ捨てた?

貝殻について言及している箇所を時系列に並べると、貝殻1と2がいつの間にか捨てられている。
・5章-2、怪物捕獲時、怪物(2匹)は貝殻を持っていたまま。
・5章-4、3つ目の貝殻は箱ごと倉庫に運ばれた
・8章-1、船長付き司厨手が偶然にも箱から3つ目の貝殻を発見する。
・8章-2、船長は3つ目の貝殻を無視。(薄暗い船内だし発光体に気づかなかったとは思えない)
・8章-4、一等航海士付き司厨手が3つ目の貝殻を発見して驚き、「船長が全部捨てたかと」
・8章-4、三等航海士は3つ目の貝殻を怪物ごと海に放流。
・10章-2、船員「船長室にあるのは分かっている」
・10章-2、船長「貝殻はすべて捨てた」

(前提)貝殻は途中で全部捨てているものとする。
・10章で全部捨てたと船長が発言
・船員は「船長室にあるのは分かっている」と発言している。
・どちらにせよ怪物がもったまま放置ではないということだろう。
・船長が義兄を犠牲にしてまで嘘を付く理由が見当たらない。
・船長に何か隠し事があるなら、それこそ最期に懺悔してるだろう。
・主人公が探しても見つからない点も、船長が貝殻を隠していない裏付けではないだろうか。

(考察)クラーケン襲来より前に捨てた。
・貝殻1,2については捨てたと連絡した。3つ目の貝殻だけ後に放流。
・問題は捨てたタイミング。捨てたのが8章ならおかしい。船長が貝殻3の存在を意味もなく隠したことになる。(直後、貝殻3を部下に命じて捨てるのに)
・5~7章のどこかで貝殻1と2を捨てた、その後8章で3つ目の貝殻が登場したと考えると自然になる。
・9章と10章、一部の船員から「船長が貝殻を隠し持ってる」と疑われている。
・「船長は貝殻の存在を故意に隠している」と勘違いされた?あるいは「船長は二等航海士と最初からグルだった」と疑われた?
・極限状態だししょうがないね。