オフラインRPGとして、殿堂入りまで軽く遊ぶぐらいなら楽しめると思う。しかし、数十時間とか数百時間とか遊ぶつもりで見るなら評価が変わってくる。シナリオクリアぐらいで軽く遊ぶぐらいなら割とオススメする。
ちゃんと作ってる場所とそうじゃない部分とで差が大きく、作り込まれた部分を楽しんでる間は「歴代最高!」と思えるけどそうじゃない部分に触れた際には製作者の悪意で苦しむこととなる。
●ポジ
・ピカブイから続いて野生のポケモンがマップ上で徘徊するのは良い。
特定のポケモンを狙ってエンカウントできるのは捕獲ゲーとしてマッチしている。
・ワイルドエリアは粗も目立つがそれでもなお魅力のあるシステム。
ワイルドエリアに過去作のポケモンを集めたのも良い発想。
お馴染みの強いポケモンが徘徊しているところに出会うと誰だって驚く。
・殿堂入りまでのゲームバランスはよく出来ている。
野生のポケモン捕獲+トレーナー撃破、レベル上げなしでだいたい適正レベルだった。
捕まえたポケモンの中から吟味して隙きのない手持ちの構築を考えるのは楽しい。
好みのポケモンを使う、強い手持ちを作る、バランスを考えるのが悩ましい。
序盤からプラスパワー系アイテムを売ってるので、最悪でもそれを買えばなんとかなる。
レイドバトルで遊んでいればレベル上昇アイテムをいっぱい入手できるのでそっちでもなんとかなる。
・システム的な改善点
ボックスがどこでも使える。技思い出しが気軽に使える。対戦用のよく出来たレンタルパーティが用意されている。技遺伝、性格変更。
・主人公のデザインがいいのと、衣装きせかえが楽しめる。
オンラインでワイルドエリアを散策するとほかプレイヤーと出会えるので楽しい。
作成したトレーナーカードは対戦で表示されるので、作り込みがいがある。
・ゲームのテンポはわりと頑張ってる方だと思う。
ダイマックスの演出がやや長いが、ストーリーを楽しむレベルであれば出番が限定的なので気にならないはず。
●ネガ
・新ポケモンの配色に変なのが多い。
蛍光色がキツいのとか、カトゥーンじゃねぇんだから。
虫タイプのポケモンのデザインは安定度が高い一方、ちょっと気持ち悪いと感じるデザインのポケモンが割といる。
実在の生き物に少しアレンジを加えてポケモンに落とし込むタイプは良いデザインが多い。反面、大きなアレンジを加えたり非生物的要素が大きいポケモンなどはデザインが洗練されてないように感じることが多い。
・倫理的に嫌悪感を感じるポケモンがいる。
アニメに出てきたら抗議の電話が来そうなレベル。いくらなんでも論外。
あと既存のポケモンが死んで亡霊になった姿を「ガラル地方の新たな姿!」として出してくるのも何考えてるんだ。
・通信交換のシステムが酷いってレベルじゃない。
GTSがない。欲しいポケモンの名前を入力して不特定の相手とポケモン交換するシステムはどこにもない。
フレンド通信がない。代わりの方法が4桁のパスワードを入力して部屋を建てる、部屋に入ってきた相手と通信交換するシステム。
SNSで交換相手を募集して通信しろと言いたいらしい。
通信進化とか図鑑完成目的の交換とか、ポケモンで一番活用する通信目的について何のフォローもない。
不特定の相手と交換するのはリスクが高くて最低限しかやらないし、作った人はポケモンを知らないんだと思う。
Switchのオンラインが有料ってこと分かってる???有料なのにDS時代で出来たシステムすら出来ないとは。
こういうオンライン要素はゲーム発売直後が重要なので、もう本作は諦めて来年出るであろう完全版に期待したほうがいいと思う。
・わざとプレイヤーを不自由にさせて行動を制限させる古臭いゲームデザイン
一番いいたい部分。
例えば、10万ボルトみたいな有能わざマシンが使い捨てに逆戻り。
移動スピードが早くなる恒例アイテムの自転車も本作では操作性が悪すぎる。
「木を揺らす→きのみ入手→木を揺らしすぎるときのみ没収」さほど重要アイテムでもないきのみにすらそんな罰則が必要なの?
他にもあるが、罰則を与えてプレイヤーの行動を制限するのが面白いはずがない。
・作り込みが浅いレイド要素
伝説のポケモン以外を使う必要がない。
ガチ要素すぎて伝説のポケモン以外を使いたくない。
オンラインでレイドに参加するとなぜか捕獲が困難になる。謎の罰則だし、ギスギス要素だし、何考えてるのか。
オフラインでレイドを消化しようとすると、NPCのせいでまれに無理ゲーとなる。
低確率で出現するレイドボスから、低確率で出てくる隠し特性持ちを探すという苦行。
1戦ごとに長い演出を消化するので、苦行の度合いが今までのレベルじゃない。
通信交換システムが劣化したことで、誰かから貰うのが困難になったのも苦行をより強めている。
隠し特性持ちのイーブイをゲットできるとネットの神になれるらしい。そのぐらいの難易度。